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市販ゲームにおけるAIの活用事例と最新動向

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コンピュータゲームにおける人工知能(AI)は、ゲームの魅力や快適さを高めるために様々な形で利用されています。AIは、ゲーム内の敵や味方の振る舞いを制御するだけでなく、ゲームの難易度やバランスを調整したり、プレイヤーの好みや傾向を分析したり、ゲームの生成や開発を支援したりするなど、多岐にわたる役割を担っています。本記事では、市販ゲームにおけるAIの活用事例と最新動向について紹介します。

ゲーム内のキャラクターを動かすAI

ゲーム内のキャラクターを動かすAIは、ゲームAIの最も一般的な利用例です。キャラクターの動きは、プレイヤーの体験や感情に大きく影響します。キャラクターが自然で知的で個性的な動きをすると、ゲームの没入感や楽しさが増します。逆に、キャラクターが不自然で愚かで単調な動きをすると、ゲームの退屈さや不満が増します。

キャラクターを動かすAIには、様々な技法が使われています。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 有限状態機械(FSM):キャラクターの状態と遷移を定義し、状況に応じて状態を切り替えることで動きを制御する技法です。例えば、「待機」「追跡」「攻撃」「逃走」などの状態と、「敵を発見した」「敵から攻撃された」「体力が低下した」などの遷移条件を設定することで、敵キャラクターの動きを作ることができます。FSMはシンプルで分かりやすい技法ですが、状態や遷移が増えると複雑化しやすく、柔軟性や予測性に欠けるという欠点があります。
  • 行動ツリー(BT):キャラクターの行動を木構造で表現し、優先度や条件に基づいて行動を選択する技法です。例えば、「攻撃」「防御」「回復」などの行動ノードと、「敵が近い」「敵が強い」「体力が低い」などの条件ノードを組み合わせて、敵キャラクターの行動パターンを作ることができます。BTはFSMよりも柔軟で再利用しやすい技法ですが、木構造が大きくなると可読性や管理性に問題が生じることがあります。
  • ルールベースシステム(RBS):キャラクターの行動を「もし〜ならば〜」というルールで表現し、ルールにマッチする行動を実行する技法です。例えば、「もし敵が近くにいるならば攻撃する」「もし体力が低いならば回復する」などのルールを設定することで、敵キャラクターの行動を作ることができます。RBSは人間の知識や経験を反映しやすい技法ですが、ルールの優先度や矛盾に注意する必要があります。
  • 強化学習(RL):キャラクターの行動を試行錯誤しながら学習し、報酬を最大化するように行動する技法です。例えば、「敵を倒す」「ダメージを受けない」「時間をかけない」などの報酬を設定することで、敵キャラクターの行動を学習させることができます。RLは自動的に最適な行動を見つけることができる技法ですが、学習に時間や計算資源がかかることや、学習結果が不安定や不可解になることがあります。

市販ゲームにおけるキャラクターを動かすAIの活用事例としては、以下のようなものがあります。

  • 「 ファイナルファンタジーXV 」:プレイヤーの仲間キャラクターのAIは、FSMとBTを組み合わせて作られています。FSMでキャラクターの大まかな状態(「戦闘」「移動」「待機」など)を制御し、BTでキャラクターの細かな行動(「攻撃」「回避」「回復」など)を制御しています。また、キャラクター同士の連携攻撃や会話もBTで表現されています [11] 。
  • 「 ホライゾン ゼロ ドーン 」:ゲーム内に登場する機械生命体のAIは、RBSとRLを組み合わせて作られています。RBSで機械生命体の基本的な行動ルール(「巡回」「警戒」「攻撃」など)を定義し、RLで機械生命体の個別の行動(「射撃」「突進」「回避」など)を学習させています。また、機械生命体同士の協調や競合もRLで学習させています [12] 。
  • 「 ゴースト オブ ツシマ 」:ゲーム内に登場する敵キャラクターのAIは、BTとRLを組み合わせて作られています。BTで敵キャラクターの基本的な行動パターン(「追跡」「攻撃」「防御」など)を定義し、RLで敵キャラクターの具体的な行動(「切りつける」「突き刺す」「蹴り飛ばす」など)を学習させています。また、敵キャラクター同士の連携やプレイヤーへの挑発もRLで学習させています [13] 。

ゲームの難易度やバランスを調整するAI

ゲームの難易度やバランスは、ゲームの面白さや満足度に大きく関わります。ゲームが難しすぎるとプレイヤーは挫折しやすく、ゲームが簡単すぎるとプレイヤーは退屈しやすいです。ゲームの難易度やバランスを調整するAIは、プレイヤーのスキルや嗜好に応じて、ゲームの挑戦性や適応性を高めるために利用されます。AIは、プレイヤーの行動や成果を分析し、ゲームのパラメータやルールを動的に変更することで、難易度やバランスを調整します。

ゲームの難易度やバランスを調整するAIには、様々な技法が使われています。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • ダイナミック・ゲーム・バランシング(DGB):ゲームの難易度やバランスをプレイヤーの状況や感情に応じてリアルタイムで変更する技法です。例えば、「敵の数や強さ」「アイテムの出現率や効果」「時間制限や目標値」などのゲーム要素を調整することで、プレイヤーに適切な難易度やバランスを提供することができます。DGBはプレイヤーに快適なゲーム体験を提供することができる技法ですが、プレイヤーの意思や自由を制限することや、プレイヤーに不公平感や不自然感を与えることがあります。
  • ダイナミック・ディフィカルティ・アジャストメント(DDA):ゲームの難易度をプレイヤーのスキルや進行度に応じてリアルタイムで変更する技法です。例えば、「プレイヤーの死亡回数やクリア時間」「プレイヤーの攻撃力や防御力」「プレイヤーの操作方法や戦略」などの指標を用いて、プレイヤーのスキルレベルを推定し、それに合わせてゲームの難易度を調整することができます。DDAはプレイヤーに適切な挑戦性を提供することができる技法ですが、プレイヤーの成長感や達成感を奪うことや、プレイヤーに不満や不信感を与えることがあります。
  • プロシージャル・コンテンツ・ジェネレーション(PCG):ゲームのコンテンツ(マップや敵やアイテムなど)を人間ではなくAIが自動的に生成する技法です。例えば、「 ローグ 」や「 マインクラフト 」などのゲームでは、AIがランダムにマップを生成し、プレイヤーに新鮮なゲーム体験を提供しています。PCGは人間の手間やコストを削減し、多様で豊富なゲームコンテンツを提供することができる技法ですが、品質や意味性に問題が生じることや、人間の創造性や芸術性に劣ることがあります。

市販ゲームにおけるゲームの難易度やバランスを調整するAIの活用事例としては、以下のようなものがあります。

  • 「 レフト 4 デッド 」:ゲーム内に登場するゾンビの出現や行動を制御するAIは、DGBとDDAを組み合わせて作られています。AIは「監督者」と呼ばれ、プレイヤーの状況や感情を監視し、プレイヤーに快適でスリリングなゲーム体験を提供するために、ゾンビの数や種類や位置やタイミングを調整しています [14] 。
  • 「 ニーア オートマタ 」:ゲーム内に登場する敵キャラクターの難易度を制御するAIは、DDAを用いて作られています。AIはプレイヤーのスキルレベルを推定し、それに合わせて敵キャラクターの攻撃力や防御力や行動パターンを調整しています。また、プレイヤーが難易度を変更した場合にも、AIはそれに応じて敵キャラクターの難易度を変更しています [15] 。
  • 「 ノーマンズ スカイ 」:ゲーム内に登場する惑星や生物や建造物などのコンテンツは、PCGを用いて作られています。AIは数学的なアルゴリズムとルールに基づいて、無限に近い数のコンテンツを生成し、プレイヤーに探索や発見の楽しみを提供しています [16] 。

ゲームの生成や開発を支援するAI

ゲームの生成や開発は、人間の創造性や技術力が求められる複雑で困難な作業です。ゲームの生成や開発を支援するAIは、人間の負担や誤りを減らし、効率や品質を向上させるために利用されます。AIは、ゲームのアイデアやデザインやコードなどの要素を自動的に生成したり、人間が作った要素を評価したり、人間が作る要素を補助したりすることで、ゲームの生成や開発を支援します。

ゲームの生成や開発を支援するAIには、様々な技法が使われています。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 深層学習(DL):大量のデータから複雑な特徴やパターンを学習し、新しいデータに対して予測や生成などの処理を行う技法です。例えば、「画像」「音声」「テキスト」などのデータから、「キャラクター」「音楽」「ストーリー」などのゲーム要素を生成することができます。DLは高度で多様なゲーム要素を生成することができる技法ですが、学習に時間や計算資源がかかることや、生成結果が不正確や不適切になることがあります。
  • 遺伝的アルゴリズム(GA):生物学的な進化メカニズム(選択・交叉・突然変異)に基づいて、解候補群(個体群)を反復的に改良して最適解(最良個体)を探索する技法です。例えば、「ゲームのルールや目標」などの制約条件から、「ゲームのレベルやマップ」などのゲーム要素を生成することができます。GAは制約条件に適合するゲーム要素を生成することができる技法ですが、解探索に時間がかかることや、生成結果が多様性や創造性に欠けることがあります。
  • ケースベース推論(CBR):過去の事例(ケース)を記憶し、新しい問題に対して類似した事例を探索し、適応して解決する技法です。例えば、「既存のゲームやジャンル」などの事例から、「新しいゲームやジャンル」などのゲーム要素を生成することができます。CBRは人間の知識や経験を反映したゲーム要素を生成することができる技法ですが、事例の記憶や探索にコストがかかることや、生成結果が既存のものに依存することがあります。

市販ゲームにおけるゲームの生成や開発を支援するAIの活用事例としては、以下のようなものがあります。

  • 「 ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて 」:ゲーム内に登場するキャラクターの会話文は、DLを用いて作られています。AIは「キャラクターの性格や関係」「会話の場面や目的」などの情報から、「キャラクターのセリフや返答」などの会話文を生成しています。また、AIは生成した会話文を評価し、品質や適切性を確認しています [17] 。
  • 「 スプラトゥーン 2 」:ゲーム内に登場するステージは、GAを用いて作られています。AIは「ステージの大きさや形状」「障害物やアイテムの配置」「プレイヤーの動きや戦略」などの制約条件から、「ステージのレイアウトやデザイン」などのステージ要素を生成しています。また、AIは生成したステージ要素を評価し、バランスや面白さを確認しています [18] 。
  • 「 エイリアン アイソレーション 」:ゲーム内に登場するエイリアンの行動は、CBRを用いて作られています。AIは「エイリアンの目的や状態」「プレイヤーの位置や行動」「環境の音や光」などの情報から、「エイリアンの移動や攻撃」などの行動事例を探索し、適応して実行しています。また、AIは実行した行動事例を記憶し、学習しています [19] 。

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